タイピング特訓で、社長をギャフンと言わす

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タイピング特訓で、社長をギャフンと言わす

一度貼られたレッテルを覆すのはとても難しいことです。
特に、相手が他人の言うことを聞かないワンマン社長や、
現場を見ない経営者の場合。

 

 

頓珍漢な評価基準

ウェブデザインの現場は新しい技術や流行の移り変わりが激しいものです。
ほんの数か月作業から離れただけでも付いていけなくなる人もいます。

 

マルヤマの会社のオーナーも、最初は実際の作業も行っていたそうですが、
すぐに付いていけなくなり、営業や経営に専念するようになったそうです。

 

それ以降、現場で何をやっているのか分からなくなってしまったので、
社員の評価も仕事内容には触れず、
数字と勤務態度だけで行われるようになったそうです。

 

数字と言っても、売上は営業の手柄(=自分の手柄)としてカウントしています。
必然的に"何ページ作ったか?"とか"写真を何枚編集したか?"
など、頓珍漢な評価基準になります。

 

「どんなに良い物を作っても、評価してもらえない。」
そんな理由から、
ベテランデザイナーの離職率も高くなっていきました。

 

勤務態度の評価も、タイムカードを見るだけ。
現場の実態は全く把握していません。

 

 

遅刻を目撃される

「遅刻しては行けない」というのは、社会人として当然のことです。

 

しかし、毎日のように終電まで働いたり、徹夜で作業をしたりしている中で、
月に1、2度くらいはつい遅れてしまうこともあります。

 

それでも事前に連絡をしていれば、特に問題はない。
マルヤマはそう思っていました。

 

マルヤマは社内でも遅刻は少ない方でした。
しかし入社して間もない頃は、きついスケジュールに体が慣れず、
何度か遅れてしまうことがありました。

 

しかし運の悪いことに、たまたま遅刻してしまった瞬間を
何度か社長に目撃されてしまったのです。

 

隠れてこっそり出社していれば良かったのですけれどね。
『悪いことはしていない』と思っていたので、堂々と遅刻出勤していました。

 

そんな姿を目撃されてしまったので、社長の中で「あいつは遅刻が多い」
というレッテルを貼られてしまったのですね。

 

それ以降、マルヤマのことは"駄目社員"として認識していたようです。
マルヤマが新しいことを始めようとすると、必ず物言いがつきました。

 

今になって思うと、作業進行表や会社でソフトの勉強を始めた時、
禁止令が出されたのもそれが原因だったのかもしれません。

 

 

お気に入りの人材

一方、社長がお気に入りの人材も何人かいました。
特に可愛がられていた人は、特に仕事ができるという訳ではないのですが、
無遅刻無欠勤で、残業もそこそこ多い人でした。

 

まぁ、美人さんだった、というのもあります。

 

技術はあまり高くありませんが、テキスト入力をメインに行っていたので、
「タイピングの速度が速い」と、よく自慢していました。

 

デザインの現場からしてみれば、タイピングの速さなんて何の役にも立ちません。
普通に入力ができれば十分です。

 

しかし社長にしてみれば、スピードが目に見えるタイピングは
分かりやすかったようです。

 

「みんな、○○さんを見習って、技術を向上させる努力をするように」
というような言葉を、ことあるごとに口にするようになりました。

 

 

タイピング大会の開催

そのうちに、お気に入りの社員を優遇するために、
社内で"タイピング大会"が開かれることになりました。

 

「優勝者には、給料アップの特典があります!」
それを聞いた瞬間、社内の雰囲気が一変しました。
50人を超える人員が一斉にタイピングに夢中になったのです。

 

デザインチームの皆も、目の色を変えてタイピング練習を始めました。
この頃はすでに、ベテランデザイナーは社長には愛想を尽かしていました。
仕事そっちのけで猛特訓です。

 

正直言って『タイピングなんて誰でもできる』と思っていました。
できて当たり前の技術です。
マルヤマ達も当然、すでにブラインドタッチは習得していました。

 

社長お気に入りの人材も、たしかにスピードは速かったです。
でも、それくらいはちょっと練習すればすぐに出来るようになると思っていました。
実際、2週間の特訓でチーム全員が簡単に抜き去っていました。

 

マルヤマも付き合ってタイピング特訓をしました。
以前にテキスト入力を経験していたので、
デザインチームの中ではトップのスピードになっていました。

 

 

優勝の特典は?

そして迎えたタイピング大会の当日、
社長お気に入りの人材は平凡な成績に終わりました。

 

一方マルヤマたちのチームは上位にも何人か入賞し、
マルヤマ本人はあっさりと優勝してしまいました。

 

特にこれと言った特訓もありません。
皆に付き合ってタイピングソフトを猛烈に練習しただけでした。

 

ベテラン社員さん達は「これで社長をギャフンと言わせてやろう」と言っていました。
タイピングは面白くなかったので、マルヤマはそれほど熱中しませんでした。
「給料が上がればいいな」ぐらいの気持ちでした。

 

そして、大会が終了した翌日の朝礼で社長は言いました。
「お前は勤務態度が悪いから昇給は無しだ。」

 

この社長は他にも色々と問題があり、好き勝手やるタイプだったので
マルヤマは何を言っても無駄だと思い、文句も言いませんでした。

 

もちろん因果応報で、この社長は数年後にそのしっぺ返しを食らうわけですが、
その辺はまた後で詳しく紹介します ⇒ 社長のキャラとその後